DISC REVIEW Uniolla

「Love me tender」セルフライナーノーツ



SELF LINER NOTES


 

01. The 1st chapter
2023年に入ってからこのアルバム用に書き下ろした曲のひとつ。
よく観ていた海外ドラマ「STRANGER THINGS」の音楽の影響を受けていると思う。
先行配信曲となったのはNAOKIくんの強い推しがあってのこと。今ではアルバムを代表する曲だと思っているが、一聴して曲の性格、立ち位置を見抜くNAOKIくんの感性には相変わらず脱帽するしかない。全曲そうなんだけど、KUMIには「こういう曲だからこう歌ってほしい」的なことは殆ど伝えない。「うた」として仕上げる天才には余計なことだと思うから。霧の中を(客観的にみると)ふわっとした確信だけで、それでも進んでいくというモチーフは自分(たち)が音楽を続けてきている歩みそのものかもしれないな、とも思う。
(深沼元昭 / Guitar)



 

02. 嘘はないはず
KUMIさんとやってると自分も1オーディエンスになりそうな瞬間があるんですが、この曲は自分にとってまさにそんな曲。聴く人によって表情を変える、そんな曲なんだろうと思います。
自分は生まれ育った家の裏にある2時間に1本しか通らない線路のその先が思い浮かんできます。
軽快なリズムとメロディ、そこに入ってくる鍵盤がスタンドバイミー的な味があってノスタルジックなところも感じます。
(岩中英明 / Drums)

 

03. It's just the time
そこはかとなく漂うサザンロック感。演奏するみんなの個性が混じり合ってポップなロックに仕上がっている。レコーディング前にライブでも演奏していたので、収録されたバージョンも生演奏感が強い。この曲のベースラインは弾いていて楽しい。
(林幸治 / Bass)

 

04. So am I
2nd Album 「Love Me Tender」のレコーディング後半に入る前に深沼さんの自宅スタジオを訪ねた際に「新曲できてきてるよ」と何曲か聴かせてもらった。その時に俺がシングル曲を選ぶのならこの曲かな、と思った。ポップでメロディアスなサビを歌うKUMIちゃんの歌声が新鮮に響く。シンプルな単音のギターフレーズを二つ重ねたイントロも聴いた瞬間にクールだと思った。なんでも元々はMellowhead用にと書き始めた曲だったそうで、改めて、俺は深沼さんが書く曲が好きなんだなぁと思った。
(林幸治 / Bass)

 

05. Leap
ドラムのビートに乗せてコーラスのかかった印象的なベースフレーズが曲を引っ張る。ベースにコーラスのエフェクトがかかった曲というのはいくつか頭に思い浮かぶが、いつかこういう音、出してみたいなと思っていた。レコーディングではエフェクターは使わずにアンプ直の音を録音して、後からプラグインでコーラスをかけている。ライブで演奏する為にベース用コーラス(エフェクター)をゲットした。いいきっかけになりました。
(林幸治 / Bass)

 

06. ララ
マンドリンがすごく爽やかな印象を与える曲です。個人的にはただ聴いてたい曲No1です笑
シンプルが故に難しい曲ですが奇跡のテイクが割とすぐ録れたのを覚えてます。
ドラム的にはフレーズは全編そこまで変わらず、アクセントで変化を付けつつタムも使わないでRECしました。揺れながらずっと聴ける、そんな曲だと思います。
(岩中英明 / Drums)

 

07. 容赦なく美しい朝
ほぼ詞曲が同時にできた曲。この曲は日本語の響きを極力そのまま音符に乗せるように意識した。
歌詞は、何度も書いてきた「解り合うことは難しい、そして、それでもあなた(たち)にいて欲しい」という主題。歌は良い部分を複数のテイクから選ぶことをなるべくせずに連続で歌い切った1本のテイクを使った。KUMIにとって、この曲のボーカルトラックは特に繊細に仕上げていきたいという気持ちを感じたので、彼女の考える「うた」としての完成形を共有することを常に意識して作業した。
(深沼元昭 / Guitar)

 

08. Love me tender
毎年3/11になると、自分の生まれ育ったところはどこなのかということを痛みと共に思い知る(福島県出身)震災の時期に巡らせた想いは自分の人生観にとても大きな影響を与えていると思う。この曲の歌詞は大きくその影響下にあるんだけど、その想いは他の楽曲にも通奏低音のように存在していると思う。
この曲で聴ける野崎(泰弘)くんのオルガンは本当にすばらしい。一緒にライブを重ねているのこともあって、バンドの一員としての鮮烈なプレイをしてくれている。
林くんのベースも相変わらず凄い。僕のプロジェクトのほぼ全てのベースを彼に弾いてもらっている。常に「いま鳴らしているバンドサウンドをより良いものにするにはどうするか」というスポーツ的に言うとチームを勝たせるために弾くような彼のベースが大好きだからだ。
(深沼元昭 / Guitar)

 

09. まぼろし
夢で聴いた(作った?)曲をできる限り再現するように作った。夢の中ではもっとスムーズに各局面が繋がっていたとは思う。サビの途中で5/8から6/8に変えるなど、覚醒している時にはなかなか思いつかないし、冷静に考えればわかりにくいと判断して途中で断念する。リズム隊のレコーディングでは多少苦労するかもと思ったんだけれど、「歌」として自然に捉えているからか、2テイクほどであっさり録ってしまった。ヒデくんはパワフルなドラマーではあるけれど、歌を活かす繊細な感覚も併せ持っていて、ライブでもボーカリストはとても歌いやすいのではないかと思う。
(深沼元昭 / Guitar)

 

10. No wrong answers
デモを聞いた瞬間に『好き!』ってなった曲です。深沼さんの言う「スタジアム・ロック」そのままに、会場が大きくなればなるほど伝わり方が大きくなる曲だと思います。
リズムをパートごとにめちゃ遊んでて、一聴していい曲なのにそこがまた深みを増してます。
なのでドラム的には自分のリズムを体に入れるのにちょっと苦労しましたが笑
ライブで絶対やりたい曲になりました。
(岩中英明 / Drums)