★LOVE PSYCHEDELICO★LIVE the SPEEDSTAR
2023.03.18
LOVE PSYCHEDELICO
| REPORT
ライター:高橋智樹
「LIVE the SPEEDSTAR」、ROAR STAGEの最後を飾るのはLOVE PSYCHEDELICO。NAOKIのギターが「Free World」のイントロをかき鳴らすと、フロアに自然とクラップがあふれ、KUMIの歌声がオーディエンスの心を重力から解き放つ。エバーグリーンなロックが描き出す、涼やかでタフなポップの多幸感。祝祭の夜はなおも刻一刻と高まっていく。
「SPEEDSTAR 30周年、みんなで楽しんでいこう!」というKUMIの言葉に続けて、最新アルバム『A revolution』の「Swingin'」、さらにNAOKIのアコギソロを挟んで、1stアルバム『THE GREATEST HITS』から「Your Song」へと繋いで、フロアを軽快なクラップの渦へと巻き込んでいく。そして、1stアルバムからもう1曲「Last Smile」。日本語と英語をしなやかに織り重ねて美しいグルーヴを刻むKUMIの歌声、聴く者すべてのメランコリアと共振するメロディ、研ぎ澄まされたバンドアンサンブル、むせび泣くようなNAOKIのソロフレーズ――。リリースから20年以上の時を経てなお、いや時代の変遷を経た今こそ、その楽曲の輝きは鮮烈に伝わってくる。
「Calling You」のタイトなビートで再びROAR STAGEを揺らしたところで、NAOKIが繰り出す「LADY MADONNA?憂鬱なるスパイダー?」のリフに場内が拍手喝采で沸き返り、KUMIの《won't you cry?》のリフレインに応えてオーディエンスの手が頭上に揺れる。ラウドでもエクストリームでもない、しかし力強く揺るぎないポップの訴求力が、音楽の理想郷の如き高揚の風景を切り開いていく。熱演を締め括ったのは、最新アルバムのタイトルナンバー「A revolution」。《Ten to nothing, we’re behind/それでも奪えない僕らの世界はbeautiful》……困難な日常すらも奮い立たせるロックが、ここには確かに鳴り渡っていた。
| PHOTO
カメラマン:木下マリ(SOUND SHOOTER)
| PLAY LIST
https://jvcmusic.lnk.to/LIVEtheSPEEDSTAR
| SET LIST
M1. Free World
M2. Swingin'
M3. Your Song
M4. Last Smile
M5. Calling You
M6. LADY MADONNA~憂鬱なるスパイダー~
M7. A revolution